「これ、自分じゃなくてもいいな」学芸大学のLINKSに聞く、今セレクトショップをオープンした理由とは?

INTERVIEW 2016.05.24
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今年で2周年を迎えたわざわざ通いたくなる学芸大学のセレクトショップLINKS。クセが強いアイテムを多く取り揃える洋服からは出色のオーラが放たれ、類稀なセンスでそれらを合わせるスタイリングが非常に魅力的。一方でキャッチー、一方でコア、という両軸が成立するのは、キャラが違うバイヤー・半田さん、セールス・酒井さんがあってのお店であるからこそ。

今回はそんな同店の店主・半田さんに今この時代にセレクトショップをオープンした理由をディレクターHがインタビュー。果たして、半田さんが今セレクトショップをオープンさせた理由とは…?

「もう一つずらしたら学芸大学だった」


− アパレル業界全体がいまいち盛り上がりに欠けていて、小規模のお店さんが泣く泣く潰れていってしまっているという状況に今あると思います。その中でもLINKSさんはつい先日2周年を迎えて、なかなか人が集まりにくい学芸大学にご出店されているわけですが、あえてここを選んだ理由はなんですか?

半田さん(以下、半田):以前は神南に店を構えるセレクトショップに6年勤めていたんですね。今では規模も大きくなり業態が変わっているのですが、その中で見えてきたのは、がっつり接客されたいお客様と流動的に買い物をしたいお客様に大きく分けられるということです。で、効率化を求める会社としてはやっぱり後者を取りに行きたいんですよね。コストの問題です。

− ありますね。特にアパレルにとっては大きな問題ですね。

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半田:それで規模が小さい時はなかったことが大きくなるにつれて出てきた。自分は特にインポートの商品を任されていたのですが、会社にもっとぶん回せと言われてもキツイところがあるわけですよ(笑)そこで「これ、自分じゃなくてもいいな」という疑問がどんどん湧いてきて退職しました。自分にとって店を構える場所=来店数ではないんですよ。目的があってきてくれる、それが自分であって欲しい、そんなことから学芸大学を選びました。

− そうだったんですね。確かに自分のことを好きな人が集まってくれるお店って素敵ですね。学芸大学はもともと関わりがあったんですか?

半田:全然知らない(笑)

− え…?東京ダーツの旅でもしたのですか?(笑)

半田:住んだことすらなかった場所なんですけど、なんとなく東横線のイメージは良かったんですよ。中でも中目黒が盛り上がっていると思うですが、うーん…。観光地のような感じになってしまっているし、ブランドのバッティングもあるし、知り合いもいるしでちょっとなーと思ってました。一つずれて祐天寺がありますが、そこは古着メインで新品のマーケットではないんですよ。で、もう一つずれたら学芸大学だった、っていうところですね(笑)

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− なるほど!半田さんの男気というか、大胆さというか、感じられますね。逆に地元でご出店は考えなかったのですか?

半田:地元は群馬なんですけど、ほとんどがやっぱり車に乗っているし、あとはアウトドアとかバイク、ライフスタイル系にお金を使うことが多いので自分のやりたいこととは違うなと思ってやめましたね。洋服を売りたい、そこに尽きます。

「何が流行ってんの?これいける?」


− そうですね。今のLINKSさん取り扱いのテイストとは違ってアメカジが強いイメージがあります。LINKSさんのセレクト面、バイイング面で何かこだっていることはありますか?

半田:こだわっていること…、基本的には自分が好きなものを置くということ、ですね。場所もそうですが、わざわざ来てくれる場所にあえて出店して、わざわざ自分に会いに来てくれる人がいる。だから自分が好きなものを置いておきたいってのがありますね。でもそれだけじゃ成り立たないことも分かっているのでそこは相方の酒井に任せます(笑)「何が流行ってんの?」とか、「これいけんの?」とか、ジャッジするときの意見をもらっていますね。たまに「これ売れなかったら俺が責任とるからいこ!」っていうこともあります。あくまで最終ジャッジは僕なんですけどね。

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− その信頼関係、素敵ですね。酒井さんとはどれぐらいのお付き合いなんですか?

半田:もうかれこれ7,8年ですかね。最初は全然仲良くなかったんですけど(笑)

− そうだったんですね(笑)そこからどういった経緯で一緒にやることになったんですか?

半田:前職を辞めて一年ニューヨークに留学してたんですね。行く前はお店を出すことは考えてもなかったんですけど、めまぐるしく変わっていって「お店出すか。」と思い立ったんです。で、ちょうど酒井もアパレルの会社を辞めようとしてたところだったのでタイミングがバッチリ合ったって感じですね。

「お店を出す半年前に決まっているブランドは一つだけだった。」


− タイミング、ですか。結婚に似ていますね。今年3年目を迎えるわけですが、前職と自分でお店を持つこととの違いは何か感じますか?

半田:お客さんとの距離が限りなく近くなりましたね。長い時間接客できるというのもそうですし、バイイングしたものを半年前に「次こういうのやるから楽しみにしておいて。」というように常に提案し続けることができってのはすごく楽しいというか、嬉しいというか。

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− 確かに自分もバイヤー経験があるのですが、最初目先の利益に囚われていたことが「あの人だったらコレ。」というように人ベースで当て込めるようになったのは強い体験として今でも覚えています。それはお客様に近いからこそできる最大の利点ですよね。

半田:そうですね。3年目にしてようやくできてきたところでその想像を膨らませることを楽しんでいますね。ファッションでは“気分”という言葉があるように、もちろんそれ通りにうまくいかない時もありますけどね(笑)それもまた楽しいです。

− 前回インタビューさせていただいたWUNDERさんもそうなんですけど、セレクトショップとしての価値観を提供するのではなく売上を取りに行くためのブランドを並べることが増えてきていることに憂いを感じていました。半田さんもやはり思われる部分はありますか?

半田:ある。むしろうちは売上を取りに行っているブランドが多くあると他から言われているんだと思います。たしかに3年でここまでよく揃えたなと自分でも思いますね(笑)でもそういうのでピックしてないんですよ。というよりラッキーなんです。実はお店を出す半年前決まっているブランドが『BROOKLIN TAILORS(ブルックリン テーラーズ)』しかなかったんですね。で、次に交渉したのが『FRANK LEDER(フランク リーダー)』。でもお店の名前も場所も決まっていないときに交渉したので「決まってから連絡してくれ」って言われたんです。

それってある意味断られているじゃないですか。でもめげずに「展示会だけでもいいので一度会わせてください」と再度アポして社長と話したら意外にもスムーズにOKをもらったんですよ。で、話しているうちに地元が一緒ということもあって意気投合して取り扱えるようになりました。その後は「フランクやってるんだ」と箔がついたように他のブランドも決まっていったという感じです。それが1年目、かな。

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− 1年目ですか!すごいですね。半田さんの思いや人柄に触れたんでしょうね。

半田:『NEEDLES(ニードルズ)』や『Sasquatchfabrix.(サスクワッチファブリックス)』は本来であればこの規模感だと難しいとは思いますが、そればっかりはもう遊んでてよかったな、というところに尽きます(笑)人のつながりで取り扱いが増えていったのが2年目ですね。『CLASS(クラス)』の代理店の社長の人も地元が群馬で一緒で、実家も近くて通うはずだった中学校が一緒だったんですよ。というようにラッキーな場面が数々あったんですが、その最初のきっかけを作ってくれたフランクの社長に今もすごく感謝しています。

− 人とのつながりって大事ですね。今後の展開で何か予定されていることはありますか?

半田:うーん、お店の色として自分の比重が大きいと思うので、今後は酒井の比重も増やしていきたいですね。「これ流行る?」というところもそうですが、お店のことはだいたい酒井に任せているので一任していきたいところはあります。というかまだまだやりたいことが多すぎて大変(笑)一つは錦を飾るじゃないですけど地元の群馬に出店するとかは考えています。でもそれは最終かな。あとは東京でもう1店舗。渋谷・原宿界隈は難しいところはあるのでそれ以外で考えています。まずは五本木を染めたいなと。

− LINKS TOWN的な感じですか。

半田:そう、「五本木俺の街計画」(笑)

− 一同(笑)。いやはや、今後もLINKSさんを見逃せませんね。本日はありがとうございました。

半田:こちらこそ、ありがとうございました。

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LINKS(リンクス)


今年で2周年を迎えたわざわざ通いたくなる学芸大学のセレクトショップ。クセが強いアイテムを多く取り揃える洋服からは出色のオーラが放たれ、類稀なセンスでそれらを合わせるスタイリングが非常に魅力的。一方でキャッチー、一方でコア、という両軸が成立するのは、キャラが違うバイヤー・半田さん、セールス・酒井さんがあってのお店であるからこそ。スタイラーのアカウントはこちらから。

東京都目黒区五本木2-42-5 1F(GoogleMap
TEL.03-3791-7160 OPEN.14:00-21:00(平日)12:00-20:00(土日祝日)

Interview.Director H

Text&Edit : ライターS


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