三軒茶屋の老舗SEPTISに聞く、シャツの定番『SERO (セロ)』が着やすい理由

INTERVIEW 2016.04.08
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定番から現代的な洋服まで酸いも甘いも着てきたSELECT STORE SEPTISのショップマネージャー小山さんに、定番ブランドの魅力を聞いていく本企画。前回のJOHN SMEDLEY (ジョン スメドレー)に続いて今回は、シャツのザ・定番『SERO (セロ)』の良さについてお伺いしました。

まずは前編。襟付き特有のカッチリとした印象が苦手なライターSが、稚拙な質問を連発しながらもセロの魅力を解いていきます。では、どうぞご覧ください。

「決まりすぎず、ラフすぎずっていう。」


ライターS(以下、S):まぁ春ということで個人的にもシャツを着たいなーと思っているわけです。STYLERでもシャツを一枚で着たいという需要が高まってきているようで。やっぱり春がそうさせるんですよね。そこで今回は老舗シャツメーカー『SERO』のことを小山さんにお聞きしたいと思っているわけです。

小山さん(以下、小山):今回もよろしくお願いします。

S:いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。

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小山:ところでなんでSEROなんでしょう?

S:そうですねぇ。冒頭で“個人的”にもと言ったように、実は僕自身今まであまりシャツを着たことがないんですよ。カッチリしたイメージがある襟付きが苦手なんです。一方で数ある定番シャツブランドの中でもSEROだけは馴染むような気がした。ザ・普通というか…。その自分に近しいであろう距離をもうちょっと縮めたいなってのがSEROを選んだ理由です。イメージは歴史的なものですからみんなも持っているのではないかと。あとは手が出しやすい価格なのも一つですね。

小山:安かったですからね、カナダで作ってる時は。

S:あれ、アメリカのブランドですよね?

小山:そうです。最初はアメリカで作ってたんですけど1997年に一旦潰れてしまって、その後2010年の復活のタイミングでカナダに移したんですよ。それで2015年に工場をアメリカに戻して今に至ります。

S:壮絶ですね。ということは現行のアメリカ製は比較的高くなったわけですね。工場が移ってクオリティーはどうなったんですか?

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小山:シャツだけではなくてカットソーでも何でも作れてしまうような工場なので、かなり品質が向上していますね。

S:おぉ。生活に寄り添ったアイテムが底上げされたような印象を受けますね。

小山:Sさんが最初言ったように、SEROこそデイリーなアイテムですよね。洗いざらしで着て、決まりすぎず、かといってラフですぎずっていう。

S:そうですね。INDIVISUALIZED SHIRTS (インディビジュアライズドシャツ。以下、インディビ)とはまた違う印象があります。一見同じに見えるシャツでもやっぱり違うんですよね。セロはどういった特徴を持っているんですか?

小山:良い意味でも悪い意味でも襟が柔らかいんですよ。シャツって襟に綺麗なロールが出ていることが一つの良さにつながる面もあるわけですが、SEROは良い意味でふにゃふにゃなんです。 そのため、首回りとの摩擦にも柔軟に対応してくれるので破れにくいというメリットがありますね。

S:なるほど。シャツの特性のカチッとした印象も和らぎますしね。

小山:特にSEROのアイテムの多くはボタンダウンですし、ドレッシーに着ることをあまり想定していないと思いますよ。だからあえてそういう仕様にしているのかと。

S:近しい存在の一つの秘密ですね。

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「やっぱりアイビーはメンズカジュアルの基礎だと思いますよ。」


小山:やっぱりSEROはアイビーとしての要素を一番満たしているんじゃないですか。

S:いわゆる1960年代後半から80年代頃までに起こったアイビーブームの仕掛けですね。(ライターS注:アメリカの名門私立大学8校からなる連盟。ファッションにおけるアイビーはそこの大学生が着ていた洋服のスタイルを指す。)

小山:それこそ僕らが中学生・高校生の時にうっかり洗濯カゴにその日着た洋服を入れ忘れて、翌日、ファブリーズをかけて行ったじゃないですか。あるいは洗濯したアイロンをかけずにそのまま洗いざらしで行ったりとか。 それがリアルであり僕らにとってのデイリーなわけですが、そういう要素がSEROのシャツにもあるんですよ。背中部分のハンガーループがそれで、この輪っかをツリーハンガーに引っ掛けることができるんです。アイビーリーグの学生たちは、ある意味雑に、そしてデイリーに、それに引っ掛けて次の日もバサッと取って着ていたんですよね。

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S:シャツをバサッとですか。かなり日常に馴染んでいますね。なぜそれがSEROだったんですか?

小山:もともとSEROが創業したのはイェール大学の近くなんですよ。そこでイェール大学の学生が愛用するようになってアメリカ中に広まるに至ったと言われています。

S:あ、なるほど。大学の近くにある書店のような感じでお店の場所が学生たちにそもそも馴染んでいたんですね。でもアイビーは自分にとって遠いというか、自分らしくはない気もしなくはないです。

小山:んー、でもやっぱりアイビーはメンズカジュアルの基礎だと思いますよ。もちろん今の日本のファッションにも馴染んでいます。

S:シャツ以外のどんなところにアイビーが潜んでいるんですか?

小山:ボタンダウンのシャツもそうですし、3つボタンのブレザーもそうです。今でこそボタンダウンのシャツを着ててもアイビーだと思われないですが、もともとはアイビーなんですよ。

S:ああ、もう馴染みすぎているというか同質というか、実はそこまで浸透していたんですね。

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小山:あとはローファーもアイビーを象徴するアイテムですし、9分丈のパンツもそうですよ。

S:え?!9分丈もなんですか?

小山:TAKE IVYを見るとだいたい9分丈ですよ。(ライターS注:当時のアイビーリーグ校の学生のスナップ集。)

S:っへぇーーー。

小山:TAKE IVYを見るとびっくりするぐらい、「っあー!こういう人、今でも全然いるな!」ってなると思いますよ。足元はオフホワイトのパンツに白ソックスにローファー、上はボタンダウンシャツにペンシルバニアのPと書かれたセーターにウェリントンのメガネして、みたいな。

S:え、まさに今じゃないですか(笑)。今までの自分のファッションは砂上の楼閣でした…。

小山:まったく色褪せていないんですよ。すごいですよね。だって50年近く前ですよ。

S:父親世代ですね(笑)。そう考えるとすごい。アイビーで着られていたアイテムがメンズカジュアルの基礎と言われる所以も分かります。

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メンズカジュアルの基礎を作り上げたアイビーブームの火付け役『SERO』。他のシャツブランドより日常に馴染みやすいイメージが当時の大学生が着ていたエピソードで沸いてきたわけですが、次週はイメージをより具体化してセロの良さに迫っていきます。お楽しみに。

SEPTISで取り扱いの『SERO』はこちらから。

・プロフィール – SEPTISショップマネージャー小山さん


『SELECT STORE SEPTIS』に入って2年でショップマネージャーとなり、今年2016年に4年目突入。お店のフロントマンとして、接客を中心に携わる。趣味は飲み歩き。同店HPの三軒茶屋散策ブログでは、オススメの飲食店などを紹介。今注目の商品情報や、定番アイテムを定番には収まらないスタイリングで提案しているInstgramも必見。

SELECT STORE SEPTIS
東京都世田谷区三軒茶屋1-41-13
TEL.03-5481-8651 OPEN.13:00-21:00 (土曜・日曜・祝日.12:00-20:00 定休日.水曜日)

Photo,Text.Shunsuke Mizoguchi


Text&Edit : ライターS


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