続・ライターSが三軒茶屋の名店「SEPTIS」小山さんに聞くスニーカーの定番『CONVERSE(コンバース)』の魅力

INTERVIEW 2016.03.10
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・前回までのあらすじ


小山さんのコンバースの遍歴からディテールの違いで見るコンバースまで、ざっくばらんに話した第一弾。ながーい歴史のコンバースですが、愛され続けている秘密の一つは“変わらない”ことでした。ひとえに変わらないということだけでなく、そこにはアイコンの存在も…。

ということで、定番から現代の洋服まで酸いも甘いも知っている同店のショップマネージャー小山さんに、定番アイテムの魅力とは何なのかを聞いていく本連載。前回に引き続き今回も、スニーカー界のTHE・定番『converse (コンバース)』の魅力についてお伺いしました。

途中、よく使われている“定番”や“廃らない”という言葉の意味の深淵を見るライターS。そして最後に、小山さんによる本日のスタイリングの自己採点と内容盛りだくさん。コンバースというモノだけでなく、周辺で起こっているコトを知りたい方は、ぜひご覧ください。

・定番であること


ライターS(以下、S):アジアメイドと違い、日本製のキャンバスがなんとなくしっかり素材感が出ているっていうのもそうですけど、企画モノのアディクトと通常ラインの表記の色が同じでもなんとなく違いますよね。(ライターS注:コンバースの上位ライン。従来より履き心地が良く、中毒性があるコンバース。)

小山さん(以下、K):うちのオーナーもアディクトで「毎回生成りで作り続ければいいのにね」って言ってましたね。

S:いや、ほんと、待ち望んでる方多いと思いますよ。かくいう僕もその一人です。

K:2015 AWも出なかったですよね…。

S:メーカー側の意図は分からないんですけど、定番の色だけに連続で買う人がいなくなることを危惧するんですかね?あ、あるいは生成りのリリースで要所で盛り上げたいかもしれませんね。

K:あ、そうかもしれませんね。たまにしか出ないニューバランスの1300みたいな。

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S:小山さんにとってのコンバースは買い続けることができる定番、ってところですから心境としてはちょっと微妙なんじゃないですか?

K:正直確かにありますね。ナイキのジョーダンが再販したら発売日に店頭に並んでコレクションするスニーカーフリークと言われる人がいるじゃないですか。でもその戦略をコンバースがやらなくてもいいんじゃないか、というのは間違いなくありますね。だから日本製でずっと同じ色を作り続けているというのは嬉しいですね。定番を地で行っているというか、ほどほどの普及率というか(笑)。かといって、レアすぎないのでどこでも買えるけどどこででも買えないみたいな。

S:あー、なるほど。トレンドとは別のところにいますね。そういえば昨年レディースでかなりコンバースのオールスターが盛り上がってたじゃないですか。一昨年に比べれば圧倒的に。小山さんからしたら応援してたバンドがインディーズからメジャーに旅立っていくようで心配なんじゃないですか?

K:うーん、でもやっぱりそこはコンバースだから特に心配はないですね。例えばスーツにスニーカーを合わせるスタイルとしてニューバランスが流行った時期があったじゃないですか。メディアでもトレンドという括りとして紹介してたように。でも今それを履いていても普通ですよね。

S:なるほど!定番という立ち位置が一過性のものにしないと。

K:そうです。きっと急速に加速したとしても慣性の法則が働いているんですよね。スニーカー以外でもMA-1が残っているのもそれだと思うんです。昨年もいましたけど、一昨年もかなりいたじゃないですか。デザインがされすぎていると一過性のものに終わってしまう可能性があるんですけど、やっぱり定番モノですと何回ブームを繰り返しても残り続けるんですよね。

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S:うーん、定番って言葉の深淵を見た気がします。チェスターコートもそうですね。僕は4年前に初めて買ってアイテムですけど、今では、ベージュ・黄色・ネイビーと三着もっています(笑)。飽きないですね。

K:結局定番の良さはそこにあると思いますね。廃らないということはそういうことです。

S:いやー、なるほど。おそらく僕含め、今の若い子も字義通りの定番としか知覚できてないんじゃないですか。段階的に考えれば認識とまでいってない。時間軸が加わると深まりますね。

K:僕自身も若い子ではないとは言えない年齢なのでなんとも言えませんが(笑)。でも一つは、小さいころから店頭にあったということですよ。無くなってしまうものもあるじゃないですか。そして無いものは買い換えることができない。だから無くならないことが定番であることの意味ですね。

S:うーん、トートロジーに陥りそうな危うさがそこにはありますね(笑)。危うさを越えているからこそ残っているんでしょうね。

K:たしかに(笑)。クロップドパンツはそういえば見なくなっちゃいましたもんね。

S:っおお!たしかにたしかに。あれって昔から無いですよね。

K:僕の知る限りでは無いですね。

S:わ、それだー。…腹落ちしました(笑)。

K:一方でその一過性にも魅力はもちろんあるんですよね。その時代に一つのプロダクトとしてみんな履いているんですから。それはすごいことですよ。

S:本当その通りですね。大衆を魅了するパワーがあると。

K:これまた定番の話ですが、そんな時にも気負いすることなく履ける、着れる定番ってのはまたすごいですよね。逆に流行っていても履きやすいですし。

S:おっしゃる通りでございます(笑)。

・コンバース、リーバイスの完成系のスタイル


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S:小山さんが今日穿いてらっしゃるコンバースは、コンバースの中でも小山さんにとって定番の日本製の生成りですよね。そして穿きやすいローカット(笑)。デニムはリーバイスの501と、下半身はかなり普遍的なスタイルですよね。(ライターS注:前回“小山さんとライターSのコンバース遍歴”に出てきたエピソード)

K:そうですね。何にでも合うけど、あえて、いや、どストレートに本質を狙ってやってみました。

S:うんうん。

K:やっぱり最終的にコンバースを何に合わせたいかと言うと、501なんですよね。

S:以前、STYLERでも「オシャレをするために、まず買うものは何ですか?」というポストに提案してもらったやつですね。

K:そうですそうです。501とコンバースでカッコよくできれば、それはもう、カッコイイですよね。

S:分かります。それができたら僕はもう地元の青森に帰ってゆっくり暮らします。

K:っはっはっは、そうですね(笑)。

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S:いやー、でも至難の技ですよね…。

K:難しいですね。今日やってみましたけど、ぶっちゃけ全然しっくりきてませんね(笑)。たぶん、もっともっと、コンバースをたくさん履いて、もっともっとたくさん501を穿いていくと見えてくるんだと思います。

S:この丈のバランスが、とか、この裾幅が、とか、ですかね。

K:年を経るにつれて見た目が薄味のファッションにどんどんどんどんなっていくじゃないですか。でもどこかカッコイイ。それは501とコンバースに接してきた密度なんじゃないかなって。だからこそ見えてくるものがある。丈がもうちょっと長いほうがいいんじゃないかだとか、ロールアップしたほうがいいんじゃないかだとか、はたまたテーパードがもうちょっと効いてたほうがいいんじゃないかだとか。

S:なるほど。THE・基本、ですね。その意味でいくと、そのコーディネートの完成を見た人が基本を言えるんですね。その分野の専門を極めた名誉教授が〜概論を書けるように。ちなみにこれは501の何年代のモデルですか?

K:これは78年モデルです。(ライターS注:1978年モデル)

S:78年なんですね!今でも66年モデル(通称:ロクロク)をデザインソースにしてるブランドが多いのでてっきりそっちだと思ってました。

K:でも66で合わせるときっと大変ですよ(笑)。コンバースに合わせるんだったらもう、極端がやりやすいと思うんですよね。テーパードした細身の501か、ドカッとしたもう少し年代が浅いところか…。

S:たしかになー、やりやすいですし、周りからも分かりやすいですしね。

K:しかもここにトップスが加わってきますからね(笑)。下半身の完成がそれだとすると、トップスはやっぱりシャツですかね。もう白のボタンダウンシャツですよ(笑)。

S:うわー、もう大変(笑)。タックインもしちゃいますか?!

K:タックインはキツイです(笑)。

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S:白の無地Tだとやりやすいんですけどね。それこそオーナーの玉木さんはクラシカルなものを極めたという印象がありますが、どのようにこだわっているんですか?

K:オーナーは白シャツ・501・コンバースの合わせでカッコよくやろうと思った時に、絶対考えるようになるよと言ってました。丈のバランス、裾周りの感じ、シャツの袖は捲るのか否か、捲るんだったらどれぐれいの幅で捲るのか、シャツのボタンは開けるのか否か、そんなディテールのことまで考えれば接客の時にも役にたつと言っていましたね。濃口なファッションをしている時に、どうしてもベーシックなアイテムを着ている人への提案力が乏しくなってしまうのでそこは意識しています。逆にアクのあるもの×アクのあるものも意識して幅を広げていますね。

S:いや、すごいですね。ベーシックなものをカッコよく着こなすほうがまず先にあるような気がします。誰が言ったか忘れましたが、“本質は細部に宿る”なんですね、結局。ベーシックなものだからこそ自分の力が露呈してしまう。なんだか仕事論になってきましたね、印刷一つでも仕事の水準が分かれてくるというような(笑)。

K:(笑)。だから洋服一つ買うにしても経験が大事かもしれませんね。穿いてみてイメージと違ったというのは、いかにディテールを気にして見てきたかの表れなんですよ。

・コンバースの理想と自己採点


S:それができたら遠くのモノも買えるようになるので便利ですね。今日はベーシックなスタイルですが、ディテールをよく見る、といった部分で改めて写真を見て自己採点するなら何点か教えていただけますか?(笑)。なんだかすみません…。

K:……70点ぐらいじゃないですか?結局70点なんかい!って感じですけど(笑)。

S:ありがとうございます(笑)。30点上げる余地があるってことですが、具体的にはどこが改善点ですか?

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K:個人的にはこの裾幅ならもうちょっと丈が長いほうが良かったですね。本当に僕個人の考えですが、裾が後ろに引っ張られているのはあんまり好みではないんですよ。靴との余白があるじゃないですか。

S:なるほど。

K:逆にこのレングスならあと裾幅1cmだけタイトだったら自分の理想に近づけたかもしれません。

S:コンバースのサイズはどうですか?

K:これは良いんじゃないですかね。普段はスニーカーは大きめのサイズで履くんですけど、これは縦が長いのであまり大きくしないようにしてます。

S:なるほど、ありがとうございます。自分を知ることとアイテムを知ること、両輪を合致させることが大切であることがよく分かりました。小山さんのように普段から自分とアイテムを突き合わせて考えているからこそ、お客様にアドバイスができるわけですね。体一つ預けても安心です。今度コンバースの日本製を買いに行ってもいいですか(笑)。

K:もちろんです(笑)。

S:では、本日は長々とお時間をいただきありがとうございました。コンバースの魅力、しっかり理解できたと思います。あとはガンガン履くことですね(笑)。

K:その通りです(笑)。

・小山さんに聞く定番アイテムシリーズ『CONVERSE』編、を終えて


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前半・後半と2回に分けてお送りしたスニーカーの定番『converse (コンバース)』 の魅力。ある意味、“コンバース=定番”という当たりまえの方程式を、“コンバース=定番=?”まで延ばす試みだったのかもしれません。やはりそこには、ひとえには言い表せない時間の重みがあったように思います。ブームを繰り返しても再び“普通”に回帰するのもそのパワーでしょう。と、言われてみれば極当たりまえのことであるわけですが…。

まだまだ聴き足りないという方は、店頭で小山さんに続きを聞いてみてくださいね。STYLERでもそのような質問に答えてくれるその他のショップがたくさんあるのでぜひポストしてみてください。ということで、次回からもまた、定番アイテムの魅力の周辺をグルグルとあさるようなお話を小山さんと繰り広げていきますので、ぜひご覧ください。

・プロフィール - SEPTISショップマネージャー小山さん


『SELECT STORE SEPTIS』に入って2年でショップマネージャーとなり、今年2016年に4年目突入。お店のフロントマンとして、接客を中心に携わる。趣味は飲み歩き。同店HPの三軒茶屋散策ブログでは、オススメの飲食店などを紹介。今注目の商品情報や、定番アイテムを定番には収まらないスタイリングで提案しているInstgramも必見。

SELECT STORE SEPTIS
東京都世田谷区三軒茶屋1-41-13x
TEL.03-5481-8651 OPEN.13:00-21:00 (土曜・日曜・祝日は12:00 – 20:00 定休日.水曜日)

Photo,Text.Shunsuke Mizoguchi


Text&Edit : ライターS


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