Leap Motionを利用したファッションショー?明治大学デザイン研究部/De.ke.nnにインタビュー!

EDITOR'S 2016.01.08
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服作りやビジネスなどファッションの基礎を学び、自由に表現を楽しんでいるのは服飾学生だけではありません。四年制大学に所属する学生たちが独学で服作りを学び、ファッションショーを企画・運営するという試みは多く見られます。なんとなくイメージで、ファッションは思想や芸術などの文系分野と縁が深いように感じてしまいますが、もし、理系大学生がファッションショーを行うと…?

理系男子、理系女子なるものは世間一般的にみてもお堅く地味なイメージ。ファッションに疎い存在として見られることもしばしばあります。しかし、そのイメージを覆すようなサークルが明治大学理工学部 生田キャンパスにありました。

明治大学デザイン研究部/De.ke.nn(デケン)」は、理系的なアイデアをファッションショーの演出に取り入れオリジナリティー溢れる表現をしている、明治大学に長く続くファッションサークルです。2015年11月22、23日に開催したファッションショー “在る”ではLeap Motionを用いた演出でファッション/音楽/映像の融合を試み、観客に新たなファッションとテクノロジーの可能性を提示しました。


De.ke.nn Fashion show 2015 “在る”


今回はファッションショー運営に携わったデザイン研究部に所属する4年生のお二人に、テクノロジーを駆使したショーの演出について伺いました。若者がファッション業界を目指さなくなったと言われていますが、ファッションをある意味フラットな目で見つめ、革新的なことに試みようとする勢いはまだまだ感じます。

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(左)KEKE3さん 理工学部 機械情報工学科4年(右)中原健仁さん 理工学部 電気電子生命学科4年



自分のやりたいこと、意思を“表現”できる場


・デザイン研究部/De.ke.nnではどのような活動をしていますか?

中原 デザイン研究部はファッション系のサークルなんですけど、デザインっていう名前だけあって“ファッション”だけでなく、どんなジャンルでも良いっていうのが前提にあります。ファッションには関係ない音楽だったり映像だったり、そういったカルチャーをベースにデザインしようとして活動しています。一人一人がやりたいことを自由にやる環境にあるので、堅い伝統やしきたりなどはなく、上下関係なくやっているところもうちのサークルならではですね。

主な活動は年に一度のファッションショーで、それ以外でも僕の代では、新入生に向けたウェルカムムービー、卒業生には追いコンムービーなどを製作しました。暇な日にはアトリエでTシャツ作りや布染めをすることもあります。各々がやりたいことを好きな時にやってます。

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・まず中原さんにお伺いします。そもそもこのサークルに入った理由は?

中原 最初の新入生勧誘の時に正直どのサークルからも声をかけられなかったんですよ。けど、デケンの当時の幹事長だけには声をかけられました。その時の先輩を今でも覚えているんですけど、針が刺さりまくったトルソーを抱きかかえてキャンパス内のベンチに座っていたんです。それも無表情で(笑)ファッション系のサークルだとはすぐに分かりました。他にないような雰囲気を感じました。

・入部してからはどうでしたか?

中原 特に活動はなくて、規則や伝統などはほぼほぼゼロに近かったです。でも、資金や施設、設備などは十分で、いろいろなものに興味を持つ機会は与えられていたかと思います。その時、このサークルはやりたいことをすぐに着手できて、自分の意思や考えをすぐに反映できると思いました。でも、技術的な面を教わることや知る機会は少なくて、自分次第であったことは大変でした。それはそれでよかったんですけどね。

・KEKE3さんはなぜデケンに入ったんですか?

KEKE3 元々同じ学科の友達伝いで中原と知り合いになりました。当時は中原とバンドを組んだりしてなんだかんだ繋がっていましたね。それから大学3年生になる頃、中原に誘われてすごく軽い気持ちで入りました。ゆるいって聞いてたし(笑)

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・入部してからはどうでしたか?

KEKE3 音楽以外の分野の部員、例えば絵を描く子、服を作る子、ゲーマー、ファッションニスタと共同作業するって経験はかなり良かったです。新しい視点から新しい切り口を提示してくれて、サウンド作るときかなり重宝しました。第三者の意見って大事なんだなと。デケンの始まりは3年生からだったけど、1年であっという間にデケンの民になりました。

Leap Motionで叶える、インタラクティブに“共創”するショー


・ショーの準備はどれくらい前から行ったんですか?

中原 ショーの構想を練るのは半年以上前からで、実際に製作を始めるのは3ヶ月前くらいです。

・演出でLeap Motionを使用していますが、なぜファッションショーにテクノロジーを取り入れたのですか?

中原 3年生になったときにファッションショーをやったのですが、モデルはただ流しっぱなしの音楽と映像をバックにそのまま歩くだけで、そこを変えたいと思ったからです。モデルもただ衣服を見せるだけでなく、映像とサウンドの一部になってほしかった。

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実際去年は、モデルの動きに合わせてライブで音楽と映像を生成しました。これが初めての手動でやる試みでしたが、難しかったですね。今年はもっとモデルをVJ・DJとリンクさせたい、と強く思うようになって手段をまず考えました。で、考えた一つ目の案がiPadの使用。何個か配置してモデルかお客さんが触ってできる、インタラクティブな演出方法を考えました。でも、これだと目に見えてわかりやすいのでおもしろくないなと。そこで抽象的な媒体を探したところ見つけたのがLeap Motion。安価で手に入り、構成も簡単なので今年はこれでいこうと決めました。

・Leap Motionを使ってどのような演出をしたんですか?

中原 センサーの前にモデルが手をかざすと、その手の動きを感知して映像と音楽が自由自在に変化するというものです。映像だと、手の動きに応じて逆再生、ストロボなどの映像変化を実現させました。

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Slack for iOS Upload

KEKE3 サウンドも同じですね。Leap Motionによってリアルタイムでランダムに生成している音を逆再生させたり、エフェクトを加えられるようにしています。それに加え4chの三次元音像でのパンニングも動かせます。

・ショーの構想を練るとき参考にしたブランドなどはありますか?

中原 ブランドは特にありません。どっちかというとファッションショーというよりメディアアートや個展にいってインスピレーションを得ていました。

KEKE3 サウンドも特に参考にしたところはありません。各次元での求められる雰囲気、展開、流れを再現しようとした感じです。

個性をつなぎ合わせて作る、新たな“次元”の表現


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・ファッションショーのテーマとは?


中原 2015年は“在る”というテーマでした。Clothing&Sound&Movieという3つの要素を“次元”を表現する上でのコンセプトとし、一次元、二次元、三次元の3部構成にしました。その上で全体を一貫した“在る”のテーマから個々の存在について考えた。「情報量」が僕たちのサブテーマで、オープニング、エンディングにも引用した寺山修司さんの「ビデオレター」を参考にしました。

KEKE3 音もそんな感じです。

・3部構成とは具体的には?

中原 一次元の表現は、線と無機質を意識しました。現実世界にはないオブジェクトが洋服たちと重なることで服を異世界のものに見せるよう、少ない情報量でシンプルさを表しました。二次元では全てfilm写真を使いストロボのように演出しました。filmの特有の暖かさと色味を徐々に出すことで、二次元のシーンに多く使われているアースカラーの洋服達になじませています。三次元ではカラフルで情報量の多い世界を表現することで、非現実的な空間を生み出しました。

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映像を撮る時に意識したのは、主観だけで製作するのではなく、みんなの意見を必ず取り入れること。担当に分けて考えるのはいやなので。衣服を作る人、サウンドを作る人からでも意見はもらいました。そのおかげでそれぞれの個性を生かした作品が出来上がったなと。自分ひとりでは絶対に思いつかないアイデアをみんなは持っているんです。

KEKE3 サウンドも同じように、録音素材は部員の声をサンプリングするなどしました。

・ありがとうございました。では最後に、新たにサークルに入ってくる人たちに向けてメッセージをお願いします。

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中原 うちのサークルは教わることが多いと言うよりも、興味を持つものに触れる機会が多いという感じです。サークル内にいれば自然とそれは自分に入ってくるし、自分も他の人に発信できる。趣味がないんですって入ってきた1年生も、今年いろんなことにチャレンジしていたし。このサークルは基本的にそういうスタンスです。それは、趣味、思考の同じ人が集まっているだけのサークルじゃなくて、自分なりの軸となる何かを持っている人がお互いに刺激し合って集まっているサークルだからだと思います。その刺激は先輩からも後輩からもあるので、毎年違った何かを得られるんじゃないかなと思います。

KEKE3 今年のメンバーが創った集大成のショーは、来年また新しいショーを生むと思います。たまたま今年、映像とサウンドに特化してみただけで、来年はまた別のベクトルで攻めてくるんじゃないかって楽しみにしています。

Text.STYLER編集部

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