お店の「ひと」からわかる「服」と「こと」。

FEATURE 2016.11.09
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お店にはなぜだか知らないけど色んな情報を持っている人たちがいる。洋服のことはもちろん、おいしいお店のことや音楽のこと、その街のこと、はたまた女性の口説き方。洋服だって試着すれば自分では分からなかった似合う洋服を教えてくれる。そんなたわいない話ができる時間がお店には流れる。

その一方で、ネットで洋服が気軽に無駄なく買える時代。はてさて、わざわざお店に行く時間を費やす必要があるのか。またそこにいる人たちはどんな想いで店頭に立っているのか。お店での普段のたわいない会話に加えてちょっとマジメな話を、セレクトショップで働く3名にお酒を交えながら語ってもらった。

【座談会メンバー】


半田亮
歯に衣着せぬ物言いが気持ちいい、学芸大学LINKSのオーナー。

鶴田祐司
「人類は皆平等」がモットーの千歳船橋LICLEのオーナー。

小山逸生
老舗と流行を自由に行き来するバランス感が絶妙な、三軒茶屋SEPTISのショップマネージャー。

プロローグ


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“会場、学芸大学「もつ焼き大膳」”


鶴田祐司(以下、鶴田):あれ、前にパンツ買いに行ったとき、いなかったよね。

半田亮(以下、半田):あ、おれいない。あの日でしょ。…あの日いないって言ってたでしょ(笑)おれいないよって。

小山逸生(以下、小山):休みは決まってるんですか?

半田:だいたい、すかね。

編集部ライターS(以下、S):やっぱり平日のほうが街に人が少ないから良かったりするんですか?

半田:うーん、意外とそうでもなくて。友達が平日だと休めないからね。

S:僕は休日は一人で映画見たり本を読んだりしてるんでそれは新鮮ですね。友達とは何されるんですか?

半田:お酒だね(笑)基本友達誘って「ばん(S注:2000円もあればへべれけになれる)」に行ったりしてるかな。たまに酔っ払いすぎるけど(笑)

S:逆に一人で休みを過ごすときは何してるんですか?

半田:お酒(笑)

編集部インターンA(以下、A):次の日の朝がしんどいみたいな(笑)

半田:そうそう(笑)

自分の店以外でも買い物する?


S:普段からお酒を中心に交友があるんですね。となるとお互いのお店だったり友人のお店だったりで買い物もするんですか?

小山:皆さんはされるんですか?

半田:おれはするっすね。

小山:ちょっと気になってたんですけど、前職と今の服装ってだいぶ違うじゃないですか。それはその時その時で違うんですか?

半田:そもそも前職では店の服着てなかったよね。

鶴田:そうだね。半田君もそうだけどあそこの店は特にそうだったよね。

半田:ほんと洋服バカしかいなかったからね。

小山:でも今はお店の服をよく着てらっしゃいますよね。

半田:うーん、何だろうね。あの当時はヤバかったよ。仕事できるできないとかじゃなくてカッコイイかカッコよくないかだから。給料の何割を服に使ってるの?って感じだった(笑)。

小山:あー、だからその当時はあまり関係ないんですね。

S:当時はどんな服を着ていたんですか?

半田:当時はSOUNDS GOODでよく買ってたよね。(注:2011年に幕を閉じてしまったユナイテッドアローズ社のオリジナルスポーツレーベル)

鶴田:あーー、あったねー。今あったらまた盛り上がるんだと思う。

半田:あれは先駆けだったよね。

S:それに目をつけた半田さん、早いですね。

半田:それが店の近くにあったからね。行っちゃうでしょ(笑)GRIFFINとかも着てたね。(注:実用性を求められるミリタリー、コンバット、スポーツなどの要素を取り入れたUKブランド。今はない。)

S:かなりの買い手だったわけですね。

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モテたかった。

A:逆に買い手から売り手になったきっかけってあったんですか?

半田:もう本当のところ、モテたいからだよね(笑)

A:みなさん一緒ですか?

鶴田:おれもそうだなー。

半田:おれまさにそうなんすよ。高校生の時かな。一番最初に「やべー」って思ったのが15年前かな。

A:それは店員さんですか?

半田:そう。それで中3の時に初めて買い物したのが地元のお店だったのよ。それで最初に買ったのがグラミチだったんだけど、フィッティングに入ったらなかなか出してくれなくて(笑)

S、A:えっ。

半田:まじ怖ぇーと思って。中学生ながらにすげーショック受けた。でもその人がめちゃくちゃカッコよかったんだよね。群馬の高崎ってすごいちっちゃい街だから女の人とかといるのを目撃するのよ。その人がすっげー美人な人連れてて。すっごいインパクトだった。

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A:鶴田さんはいつモテたい衝動が始まったんですか?

鶴田:僕はモテたい衝動が始まったのが高校生ですね。服自体は近くに横田基地があったんで、中学の時から。もちろんお金がないから買えなかったんですけど。だから高校の時にバイトして服を買ったのが最初かな。

A:そうだったんですね。

鶴田:それで高校生の時とか、もうガッチガチに決めてやろみたいな(笑)それこそ一番のモテどころというか、一番気合い入れたのが修学旅行の時かな。

半田:わかる、わかる。

A:共学ですか?

鶴田:そう。中学の時は逆に遠足だったなー。「母ちゃん、金くれって」(笑)

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“焼酎割り用の炭酸”


店員さん:(サガリと割ものの炭酸でーす。)
編集部一同:わ、うまそー。シュワシュワすご(笑)


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“サガリ&カシラ”


他校の彼女のバッグがステータスだった。

S:当時は雑誌など見てたんですか?

半田:うーん、まずウェブがなかったからね。パソコンもいじらないし。

鶴田:おしゃれな友達とかお兄ちゃんを参考にしてたよね。

半田:兄ちゃんがいるやつは強かったよね。めちゃうらやましかった。お下がりもそうだけど感覚的なとこで何がカッコイイとかね。

鶴田:たしかに。制服にワンスター履いてるやつがいた。そいつがすごいかっこよかった。

S:あ、そりゃかっこいい。

半田:あ、俺も履いてた。

一同:すげぇぇ(笑)

鶴田:もう半田くんは感度の次元が違うんですよ。

S:え、もう、どういうセンスの持ち主なんですか。

半田:あと制服の着方とかもあったっすよね。オフィシャルじゃないやつね(笑)制服の裏地違うやつとか。

鶴田:何それ。穿いてたの?

半田:おれ穿いてたよ。パンツが結構いろいろあって、所謂ドカンとか、ブーツカットのやつとか。(注:ものすごく太い学生服)

小山:生活指導の先生に怒られるやつじゃないですか(笑)

半田:怒られる完全に(笑)でも俺はドカンの一歩手前の太いやつを選んでた。

鶴田:カバンもあったよね?

半田:カバンもあった。他校のバッグを持ってたら結構ステータスだったよね。それはなんか買うんじゃなくて付き合った彼女のバッグとかを持つの。あれが一つステータスになってたよね。

一同:あーわかるわー(笑)

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憧れの距離感=近寄りがたさ。

半田:そういうある種の近寄りがたさみたいなものはあったよね。

S:今ってネットで買い物されるときは目的のブランドを扱っていればショップが同じように見えちゃうじゃないですか。ある意味ショールームみたいな。その意味でお店は選ばれる立場にあるから逆に消費者優位の側面が強いような気がします。

半田:昔は近寄りがたさが良しとされてたからね。買わなくても別にいい、他に買うやついるし、みたいね。

A:実際に昔体験したことは今の半田さんの接客に影響は与えてますか?

半田:うーん、そういう時代のそういう売り方しか体験したことないから多少あると思う。でも売り方もだし売れ方も今は違うからね。

小山:僕もストリート出身なのでそういう感覚の接客は体験してきました。逆に今お店に立って「考えます、検討します」っていう言葉をこの業界に入ってから知りましたね。

S:それは今まで自分が買い手でも断らなかったってことですか?

小山:いや、断り方がわからなかったっていう(笑)

半田:詰められる他知らないからね。

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小山:昔の接客に近寄りがたさがあったことを決して良しとしてるわけではないですけど、実際へりくだりすぎるのも…っていうのはありますよね。

S:たしかにそうですよね。知らない情報を持ってるプロですからね。

半田:おれはもう基本はそういう対応っすね。

小山:それこそもう僕はストリートで育ってきたんで逆に店員さんに憧れてきた距離感があったほうがお客さんは付いてくるだろうっていう感覚はありますね。

半田:自分たちが買い物してた人の感覚に近いほうが良い気は若干するよね。

お店にない服を着ているのはなぜ?


S:今はそこが知識に取って代わったんでしょうね。お店の人のみが保持してた情報を一応ネットでも得られますから。表層的ですけど。接客する立場となるとお店のものを着なきゃいけないとかもちろんおしゃれにしてなきゃいけないとか外面的に気を使わなきゃいけないと思いますが、どうですか?やっぱり意識してます?

小山:そうですね。やっぱり店員さんがまずオシャレじゃなきゃダメじゃんって思いまね。うちのお店は老舗のアメカジブランドばっかりやってるんですけど、今日NEEDLESを穿いてるのはそれが狙いで。老舗と今っぽいの着てたらそれは一つの幅じゃないですか。お客さんにとっても説得力が生まれると思うんですよね。老舗もだけど今のモノもちゃんと知ってるよって。

半田:それはあるっすよね。ある程度ニュアンスがわかってて着てるみたいな。

小山:いろんなお客さんがくる中で、仮にスタッフ全員が店のもので全身固めてたらある種提案の幅を狭めちゃってると思うんですよね。でもなんかそれこそ、ふらっとでもいいですし、一個のアイテムを求めてでもいいんですけど、店員がどこかにNEEDLESを穿いていたら、特に若い人はお店に入りやすかったりもするしその人の話も聞きやすいのかなって思います。

A:幅が広そうに見えますね、たしかに。

鶴田:たしかに小山くんのお店だと余計そうかもね。幅広い年齢層が来るからね。

半田:幅は大事っすよねー。変な話、古着からテーラーまで知ってたらなんでも売ることができると思う。

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お店でのモノとコト〜ムードで買えるもの〜

S:外面的にかっこいいとそれだけで説得力は生まれますよね。その入り口を始まりとして人ベースで、言ったらその人がカッコよかったら提案されたものは知らないけどよく見えてくるというのはあると思います。委ねられる感覚です。ブランドを目的に店に行くのも効率的で悪くはないのですが、人目的で始まるお客さんにとっての広がりを僕らは期待してる、というか現在自分たちも楽しんでるんですけど、どうですか?

小山:まぁあれですけど、売り手でそういう人が少なくなってきてしまっているような気がします。

半田:そう。昔で言えばファッションアイコンみたいな人たちがいたんだけどね。時代が違うから仕方ないけど。でも今そういう人を目指してる人がそもそもいるのか、ってのはあるよね。

A:その人目掛けてお店くるってことは=実店舗に来るってことですが、実際ECと比べて実店舗で伝えたい事って何ですか?

小山:実店舗の意味は単純にムードで買えるってことだと思います。僕もこの間表参道に行ったついでにkolorの直営店に行きましたけど、やっぱりそこに行くとグリーンが欲しくなるんですよ。でも他の店ではブラックとかグレーが欲しくなる。その場所で味わう世界観の違いで見え方が変わるんですよね。

S:あーなるほど。気分の誘発ですね。たしかにありますね。ディズニーいったらディズニーのグッズが欲しくなったり、ライブに行ったら家に帰ったら使いもしないペンライト買うみたいな(笑)

半田:そう。おれらは外観も内装も、あとBGMも含めて提案してるんだよね。ECでピックして買うのもいいけど、お店の雰囲気も分かってほしいっすよね。…って、おれは思うよ。

小山:時代的にまずネットで最初の認知はするじゃないですか。僕もその一人で、LINKSさんのブログなりインスタを見てNEEDLESいいなって思って買いに行ったんです。でもその次はやっぱり違いますよね。お店に行ってLINKSさん的にはNEEDLESのパンツの上はコレを合わせるのかっていう。

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“上 なかなか見ないメニュー&下 割る際の焼酎といったらこれ、1本1500円の金宮ボトル”


S:これもうロックやんけ!(インターンAに水割り用グラスに7割の焼酎を入れられる)
半田:大丈夫、グチくんなら大丈夫でしょ。
S:…はい!(頑張って飲みます)
A:キンミヤボトルもう1本と、炭酸をおかわりで。あとカットレモンください!
店員:かしこまりましたーありがとうございます!



お店での試着が拡張の原理


小山:やっぱりあのー、その先が見てくるんですよ。結局そこに置いてあるっていうことはそこで他に置かれているものと合わせることの保証になっているわけじゃないですか。だからお店に行くまでに思い描いていた自分のビジョンとの衝突っていうのが起きるわけですよ。「あ、これもアリなんだな」みたいな。それが面白いですよね。今お店で働きながらも他のお店に行くメリットとして感じてます。

S:たしかに。あと自分が試着した時に、お店の人からすれば似合っているように見えるのに自分ではしっくりきてない。でもそれって本当に似合ってるわけじゃないですか。就活で他己分析が役に立つのと一緒で。髪の切りたてが自分ではしっくりこないのもそれで。時間が経てばその時には分からなかったしっくり感が出てくるわけですよ。しかも自己完結して選んだ服より良質なしっくり感が。だからお店に行って試着して店員さんに見てもらうってのは時間を買うこととも言えますよね。そこに対価を支払えればもっと服を楽しめると思います。だから試着して衝突を早めろと

鶴田:あとは100%知ることはできないですけど、やっぱりその人を知ること、お店を知ること、だと思いますよ。WEBだと写真と文章しかないんで伝わりづらいですよ。

S:お店で洋服を買うことはお店の世界観で服を買っているわけで、言い換えればコミュニティーにいつの間にか属しているとも言えますよね。

半田:そう。昔はそうだったけどね。だから誰かの洋服を見たら「あそこっぽいよね」って表現できてた。

小山:あぁ。そうですね。

S:その店で流れてる音楽も置いてる服にまつわるもので、いわばカルチャーみたいな。

半田:でもまぁカルチャーだけではないからね。今までの接客で俺に質問しても何も返ってこなかったっしょ。

S:たしかに(笑)

半田:そうだよね。

S:じゃぁ僕は今まで半田さんからどうやって買ったんだろう…。

半田:「いいっしょ。」でしょ(笑)

S:そうですね(笑)その一言で今日4万円のTONSUREのパンツを買っちゃいました。

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“一頭の牛から3、4本しか取れないという超絶人気メニューたんもと”


半田:おれが言いたいのは、カルチャーとか生地の知識とかはそれほど重要ではないと思っていて、どう着るかなんだよね。これをこう着たらかっこよくない?とかで俺は成り立つと思ってる。

小山:それはそのー、半田さんより年下で恐縮なんですけど、そういうお客さんがやっぱり集まってらっしゃるんだと思いますよ。うちはもう逆に知識ベースです。

S:それもまたそこに集まっているコミュニティーってことですよね。鶴田さんはどうですか?

鶴田:SEPTISにいたときはもちろん知識ベースでしたね。でも今お店を初めて思うのは半田くんの接客スタイルもありかなって。

S:お客さんからすればそうなんじゃないですか。僕も一消費者ではありますけど、半田さんの接客スタイルが楽というか。兄貴が感覚的に先を行っていたように、お兄さん的な信頼をお店の人に寄せることができる。

小山:多分それは若いお客さんであればあるほどそうだと思いますよ。

半田:たしかにねー。逆に自分より年上の人達を相手にするときは売り方が変わってくる。「いいでしょ。」が通らないから。もちろん俺もこの業界に身を置いてきたから知識はあるからできるっちゃできるんだけど、それを出しすぎると失礼にあたる場合もあるからさ。だからそのときはこうやって(サッカー選手が小山を備えるがごとく両手を手前に組んで下を見ている)静かにしてる。

一同:(爆笑)

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小山:でもLINKSさんはジャケットとかたくさんやられてるからお客さんとして相手にすることが多いんじゃないですか。

半田:だからあくまで「サイズお出しします」ぐらいしか言わない。年下のやつが何言ってんだよってなるんじゃなかと思って。まー、一言で言えば一人一人で接客が変わるってこと!昔は違ったけどね。全部これいいっしょ、穿いてみなよ、みたいな(笑)

A:宗教でも作ってたんですか(笑)

S:一方向で強い薦めを受けるのはプロと素人とのあるべき姿なんだと思いますけどねー。

会いに行ける、おしゃれな兄貴


A:根本的には会いに来てくれるだけでもいいですか?

半田:全然いい。別にダベってタバコ吸ってコーヒー飲んで終わりでも全然いい。

A:お二方はどうですか。

小山:売る物が揃ってる時期だったら買ってほしいってのはやっぱりありますけどね(笑)

半田:そうだね。「このタイミングでいつ買うのぉ?」ぐらいは言うけどね(笑)閑散期はまた別かも。

A:言い方が変ですが、お客さんが来たら最初にしてほしい行動ってありますか?

半田:うーん、まずイヤホンは外してほしいかな。

小山:あーそうですね。

S:イヤホン付けたまま買い物するって、あんまりECと変わらないですよね。

半田:自分だってお店に入る時イヤホン外すし、サングラスも取るから。服の色もわかんないからね。

A:たしかに(笑)まあ、そういうのは最低限のマナーですよね。

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“金宮のホッピー割りもアリ”


憧れをオレらが示さなきゃ。

A:話が変わってしまうんですけど、インスタの写真とかってみなさん力入れてますよね。

半田:そのためにデジタル一眼買ったね。

小山:うちもですね。

半田:洋服を綺麗にカッコよく見せるためには必要だよね。

S:まぁ行ったら雑誌と一緒で憧れの対象を作りだすためには必要ですよね。

半田:あとここで働きたいな、みたいな。若い子達に夢見させてあげたいんだよね。

S:かっこいい(笑)

小山:いやいや結構大事ですよ。

半田:アパレルで働く人が減ってる理由ってそれもあるんじゃないかなー。バイヤーになりたいとか、プレスになりたいとか。従業員たちが憧れを提示できてない。だったら現実的に一般的な職に就くほうがお金もらえんじゃん?ってなっちゃってるから。

A:別にそっちのほうが服買えるしなーって思いますもんね。

半田:趣味を仕事にしていいなっていうのが見えてないから今のままだと。スタイリング込みでいい写真撮ってんじゃんっ、てなんないと。

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DSC_0449“大膳に来たらまずこれ、セロリとキャベツ”


半田:あぁいいよいいよ、全然いい。(Aがお酌するも半田さんが気を使ってくれている)
A:すんません。やりますやります。(無理やり注ぐ)
半田:さんきゅ。あ、あぁ、いいよ、適当で適当で。(受け入れてくれる)



ネットで売れるもの。


S:ECと実店舗で売れるアイテムの違いはあります?価格帯によってもありそうですけど。

小山:価格帯もありますけど、やっぱりネットにおいてはアイテムについて購入者が知ってるか知ってないかで売れるか売れないかがバラけますね。デッドストックは特に売れます。フィールドが東京だけじゃないってのもありますし、探している人はアイテムについて分かっていますしね。いわばドメ(注:ドメスティック)のブランド名でサーチするのと感覚的に近いと思いますよ。

鶴田:あとは仕入れるときにネットで売れるであろうってアイテムは仕入れてます高単価商品とかはネットで売れますね。

S:あの価格をクリックでいけるんですね…。

半田:まぁ価格だけではないと思うけど。でもアクロニウムは売れるね。あと珍しいものが好きな人はネットにはいるよね。うちとかアートピース系がネットで動く。だからうちもアートピース系はEC用っていうテンション的で入れてる。撮れ高大丈夫?

S:まだダメです。

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“なかなか見る機会がないメニュー”



STYLERを使ってみて。


A:実店舗で服を買うことの楽しさを至上とし、なんでも中性化してしまうネットから豊潤な体験ができる実店舗への送客を行っているのが僕らのサービスだと自分でも理解しているのですが、実際に今使ってみてSTYLERはどうですか?ウェブでの接客は初体験だったと思うのですが。

小山:良い点で言えば、やっぱり不特定多数の人にアピールできること、に尽きると思いますよ。ブログもやってますけど、読者の多数はやっぱり自分の店を知ってる方たちですからね。その反面STYLERはこの人に提案してたつもりが、また別の違う人が買ってくれたなんてことがありますから。

鶴田:たしかにそうだね。自分自身お店を始めたばかりでインスタとかブログとかやってるけど、特定の人に届けることができるのはすごく大きいと思う。他は誰が読んでいるのかわからないからね。だから提案する気も起きるし。

小山:この前なんかは大学生がSTYLER経由でジョンスメを見にお店に来てくれたんですけど、最初に「STYLERを見てきました!」と言ってくれて僕らの接客へのハードルも下がりましたよ。明らかに入り口が違いましたね。

S、A:おお!!それはすごく嬉しいです。

小山:しかも僕がお店にいることを分かって来ているので“任せてもらえている感、委ねられている感”をすごい感じました。結果、ピーターバランスの3万円のニットを買って行ったんですけど、それも自分のビジョンとの衝突ですからね。最後は「やっぱりジョンスメも着させてください!」と言って帰って行かれましたけど。

S、A:かわいい(笑)嬉しいお言葉をいただいた反面、逆にもうちょっとここどうにかなったらみたいなところありますか?

小山:もうちょっと情報量がほしいなって思います。3万円以下でおすすめのアウターを教えてくださいとかは、やっぱり難しいですね…

半田:そう。見え方っていうか。なんだろう。それが別に3万円以下のアウターが悪いって話ではないけど、そこ出せるんだったらもうちょっとイケんじゃん、みたいな交渉が可能なはずなんだよね。

S:交渉の余地がないと。

半田:うん。ある程度ニーズを指定されてるから、こっちとしてもそれで終わっちゃう。たしかに効率的ではあるけどね。それはそれで一致することは良いと思う。ただ結局現場でモノ見てないからお店とそのままとはいかないよね。例えば2万9000円のアウターと4万ちょいのアウターが並んでたとしたら、じゃー両方着てみなよってお店だとなるじゃん。着るのはタダだから。それで納得して4万のほうが良ければいいじゃん。今の場合一店舗一択だから。っていうのが難しいよね。

S、A:あぁ、そうですね。

A:お店に行くきっかけになるのが僕らの願いですしね。

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“おひさまの香りのファブリーズはご自由に”


店員:フードのほうがラストオーダーとなりますが大丈夫ですか?
一同:大丈夫でーす。
S:まだテーブルに残ってるんで小山さんも食べてください。
半田:食っちゃって食っちゃって。


閉店20分前。

A:音楽へのこだわり含め、それを体験しにくるだけでも良い、っていうことがやはり大事であり必要な体験であると思います。最後お三方にコメントいただきたいのですが、良いですか。

小山:お店の建て構えもそうですが、やっぱりお店の人って洋服で身構えている分、近寄りがたさがありますよね。でもそれってプロとして洋服について知っている、頼ってもいいんだということの言い換えなんですよね。だから近づいてきてください(笑)

半田:あと洋服だけのことじゃないと思うんだよね。「お前、彼女とどうなの?」「いや、いないんすよー。」みたいな場だと思ってるから、お客さんも心開ける場にしたい。でもこの3人は入り口は多分狭いほう(笑)。

鶴田:お店に来てもらっての価値か…。洋服を好きになってもらうこと。

半田:今、綺麗なまとまり言ったね(笑)震えた、震えた(笑)おれ散々同じこと言ってんぞー。

一同:(笑)

S:すみませーん。
A:すみませーん。
S:氷と炭酸ください。
小山:(トイレに行く)


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A:それは接客があるからこそなれるものですもんね。

鶴田:100%伝えられるし、100%できるし、笑えるし、なんだよって思えるし。ほんと楽しんでもらいたい。

半田:結果服好きになってもらえればいいよね。入り口は仕事の話して、お酒の話して、別にそれで良いよね。

鶴田:なんでもたわいない話でいい。でもそれって本当に場所としてお店しかないし。友達に話すことと、赤の他人のショップスタッフと話すことって違うと思うんですよ。絶対なんか違う会話になって、自分も勉強になるし、その人の勉強にもなるかもしれないし。自分のジャンルを乗り越えることが楽しいよね。半田くんのBGMの話じゃないけど、それでその音楽が好きになるだけでも楽しいし。

半田:服屋に行かないとわからないと絶対わからないことってあるからー。くっだらないこと話して終わるのが楽しいよね。てかおれもうワンテイクやりたい(笑)

S:え?逆にいただいていいですか?

(トイレにいってた小山が戻って来る。)

小山:お二方のコメントを聞いてないので話すのはあれですけど…

鶴田:そっちのほうがいいんじゃない?

半田:おれ最後綺麗なやつやるから(笑)

小山:やっぱなんかでもこう、こういう空間もあるんだなっていうか。ちょっと背伸びした空間を体験できる場所ですよね。そこは気張っていく場所かもしれないけど、でも気張っていく場所で手に入れたものは体験として今後のバックストーリーを抱えるものなわけで。

今はネットではモノベースですごい動いてる時代になっちゃてて。それって実店舗の空気感がない中で選んでるモノだからすごく不安定なんです。お店で手に入る能書きはデートに使えるんじゃないかって思うんですよね。受け売りでもいいじゃないかって。かっこいい人からかっこいいことを聞いてかっこいいことを言ってモテる、みたいな。自分のことを一つ格上げしてくれる場所だと思います。

半田:まぁ戦闘服だよね。戦闘服買う、みたいな。

小山:一番よくないのって今良い服を買う理由が洋服屋に行くからになってるじゃないですか。

半田:そう、それ用だけじゃないじゃん?おれらが売ってるのって。

小山:そうですね。レストランに何着ていくの?ってなりますもんね。リンクスさんですごいと思ってるのは、その場を提供してるじゃないですか。イベントを独自でやられてますよね。あれが圧倒的に一歩進んでるのかなって思いますね。

半田:あぁやってるっすねー。まぁ、最後俺が言いたいのは…価値観の共有の場だと思うのよ。

一同:…。

A:すごい綺麗ですねー!

半田:すげー綺麗に言ったよね?

一同:(笑)

半田:その人がもともと何が好きかってのはあると思うけど、でもうちの店に来て、うちの洋服を良いって言ってくれたらお互い「それいいよね!」ってなるじゃん。それで別に、買う買わないっていうのが起これば俺はいいと思ってる。

小山:それはECでは絶対に起こらない事ですよね。

半田:絶対に、起こらないっすよ。名前と住所しか分からないからね。共有はできないよ。…っていうね。…でいい?

S:撮れ高OKです。ありがとうございます!!!!

半田:最後いい?

A:締まってました。

半田:最後いい?

一同:いいです(笑)

SPECIAL THANKS


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居酒屋 「もつ焼き 大膳」

東急東横線学芸大学駅より徒歩1分。串焼き1本100円から注文できるリーズナブル感はもとより、タレ・塩どちらにおいてもパフォーマンスを発揮してくれる臭みのないお肉が極めて良好。まず最初に注文してしまうセロリ、キャベツがこれまた至高(特性みそがやばし)。その他のラインナップ、飲みの席の潤滑油のみならず、仕事への潤滑油になること請け合いです。串の注文は塩・タレ選ばず「おまかせ」で。

PLACE.東京都目黒区鷹番3-10-8 1F
TEL.03-3713-9489
OPEN.月~金 17:30~1:00(L.O食事 0:00、L.O飲み物 0:30)
土曜、祝祭日 17:30~23:30(全てのL.O 23:00)

Photo.Yuya Iwasaki, Text.Shunsuke Mizoguchi

Text&Edit : ライターS


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